衣食住は生活の基本となる部分です。日常生活へのインパクトは大きい。

特に住宅購入に関しては、失敗してもリセットができないため当初の判断が難しい、しかし、話が進みだすと決断までの時間は意外と短い。

バブル時期には、サンダルで住宅展示場へ出かけて気に入ったら5万円程度の申込金を納めて、そのまま住宅購入という「ハンバーガースタイル」があった。これはハンバーガーを買うかの如く気軽に住宅を購入するということをいう。

地価が右肩上がりに上昇しているときには、住宅購入は貯蓄感覚であったのかもしれない。売却すれば購入時より必ず高く売れ、世間では「住宅双六(じゅうたくすごろく)」が当然と思われていた。

ちなみに、「住宅双六(じゅうたくすごろく)」とは、「都会の単身アパート暮らし」→「ファミリータイプの賃貸マンション」→「分譲マンション購入」→「マンションを売却して郊外一戸建て」で「上がり」となる人生模様をいう。

しかし、世の中は変わり20年以上に渡り地価は下げ続け、少子高齢化により世帯数よりも住宅ストックが多いという状況の中、「核家族化」「空き家の増加」「単身高齢者の増加」が顕在化し、住宅に関する価値観が変わろうとしている。

殆どの人は決まった収入の中で生活を続ける。家賃を払い(住宅ローンも含みます)、食品等の生活物資を買い、多少のおめかしをし、繋がりを求めて高額なスマホの代金を支払う。おまけに子供の教育費や老後の資金の準備も必要となる。

これからは、各々がそれぞれの状況に鑑み「住宅」に関する新しい価値観を持つことが必要と思われる。

その選択肢の中には、「中古住宅」が重要な意味を持つ。(ちなみに、中古住宅とは新築でない住宅をいう。)
今のところ、「住宅購入」は9割近くが新築であり、中古住宅は1割強という状況です。先進国では考えられません。(新興国と同じ状況)

言い方を変えれば「住宅」が消耗品化しているということである。高いお金を出して、造っては壊すの繰り返しを意味する。よって、社会的資産である中古住宅を購入の対象とすることが必然となる。

そのためには、中古住宅流通マーケットが、今の「車市場(新築市場と中古市場の相互補完)」のような流動性をもつことが必要になり、その他の条件としては「住宅の価値の明確化」と「品質の透明性」が不可欠となり国による法改正によるサポートも必須である。

最後に、私が思うに「住宅」とは「物質的な価値としての住宅」と「人間が生活し家庭を形成するための住宅」のハードとソフトが融合する場所ではなかろうか。よって「住宅購入」は人生の大きなイベントではあるが、家族を幸せにする全てではないということだ。

それでは・・・。

(文責-山口彰敏)